大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)2444号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(判旨)

窃盜罪の成立に不正領得の意思を必要とすることは既に大審院及び最高裁判所を通じて判例とするところであるが、ここにいわゆる不正領得の意思とは、権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従つて利用若しくは処分する意思をいうのであつて、必ずしも永久的にその物の経済的利益を保持するの意思であることを要しないものと解すべきである。(二七・七・一三最高裁判所第二小法廷、同年(れ)第三四七号強盜傷人、窃盜被告事件判決參照)ところで原判決挙示の証拠によれば、なる程被告人等は永久にスクーター等を自己のものにして使用するとか他に処分しようとするような意思のなかつたことは、これを認め得るのであるが、更に被告人等は、スクーター等が路上に置いてあるのを認めこれを乗り廻わしてみたくなつて、これを保管者に何らことわることなく、且つ自ら再び元の置いてあつた所に返しておく意思もなく、これを引き出し乗り廻し何処かに捨てておけば近所の人が見つけて元の持主へ返してくれると思つて本件犯行に及んだ事実を認め得るのであつて、即ち、被告人等は路上に他人所有のスクーター等の置いてあるのを見つけ、これをその用法に従つて乗り廻し何処かに置き去る意思でその所持を奪つてひつぱり出したのであつて、一時的にもせよ、権利者を排除してこれに対する完全な支配を取得してその所有者の自由に行使すると同様のその本の使用目的である運転乗り廻しをしようとする意思であつたのであるから、前に述べた不正領得の意思があるものと認めなければならないのである。

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